マリア・シマノフスカ、“狂気と隣り合わせの才能”(ゲーテ)(1) 生前は神のように崇められんばかりの人気を得ながら、没後あっという間に忘れられるという奇妙に矛盾した現象・・マリア・シマノフスカは その好例である。当時のヨーロッパで徐々に増えていたとはいえ女性の作曲家、ピアニスト、音楽教師は、まだ少人数に過ぎず、その中で音楽 サロンにだけに収まらず聴衆のいる舞台で脚光を浴びた彼女は注目すべき人物であった。それでは、ゲーテやロマン・ロランの言うところのその<音の世界の魅惑的な絶対者>とは何者だったのか?(2)